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性質

試験法
ASTM

単位

ナイロン
MC901

ジュラコン
M90

引張強さ

D - 638

kgf/cm²

800-980

620

伸び

D - 638

％

10-50

引張弾性率
(縦弾性率)

D - 638

10³kgf/cm²

30-35

28.8

圧縮強さ降伏点

D - 695

kgf/cm²

940-1050

－

5％変形

D - 695

kgf/cm²

940-970

－

圧縮弾性率

D - 695

10³kgf/cm²

33-36

－

剪断強さ

D - 732

kgf/cm²

735-805

540

ロックウェル硬度

D - 785

R スケール

115-120

曲げ強さ

D - 790

kgf/cm²

980-1120

980

比重(23℃)

D - 792

－

1.15-1.17

1.41

ポアソン比

－

0.40

0.35

(2)熱的性質

表 2.2には、ナイロンMC901とジュラコンM90の一般的な熱的性質を示します。

表 2.2 ナイロンMC901とジュラコンM90の熱的性質

性質	試験法 ASTM	単位	ナイロン MC901	ジュラコン M90
熱伝導率	C - 177	10^-1Kcal/mhr℃	2	2
線膨張係数	D - 696	10^-5cm/cm/℃	9	9-13
比　熱(20℃)		cal/℃grf	0.4	0.35
加熱変形温度 (18.5kgf/cm²)	D - 648	℃	160-200	110
加熱変形温度 (4.6kgf/cm²)	D - 648	℃	200-215	158
耐熱温度 (長時間)		℃	120-150	－
荷重変形率 (140kgf/cm²、50℃)	D - 621	％	0.65	－
融点		℃	220-223	165

(3）吸水性

プラスチック材料は、一般的に吸水性があって、機械的性質や耐摩耗性などを低下させる欠点があります。
表 2.3には、ナイロンMC901とジュラコンM90の吸水率を示します。

表 2.3 ナイロンMC901とジュラコンM90の吸水率

条件	試験法 ASTM	単位	ナイロン MC901	ジュラコン M90
吸水率 (水中、常温、24時間)	D - 570	％	0.5-1.0	0.22
吸水飽和値 (水中)		％	5.5-7.0	0.80
吸水飽和値 (室温、室内放置)		％	2.5-3.5	0.16

ジュラコンM90はナイロンMC901と比較して、吸水性の少ないプラスチックです。

(4）耐薬品性

ナイロンMC901の耐薬品性は、通常のナイロン樹脂とほとんど同じです。一般的に言って、有機溶剤に強く、酸に弱いです。

	その特性をまとめると、次のようになります。
	◎	多くの無機酸には常温、低濃度でも無条件には使用できません。
	◎	無機アルカリには、常温においてかなりの濃度まで使用できます。
	◎	無機塩の水溶液にはかなりの温度、濃度まで使用できます。
	◎	有機酸(蟻酸を除く)には、無機酸よりかなり安定です。
	◎	エステル類、ケトン類には、常温において安定です。
	◎	芳香族には常温において安定です。
	◎	鉱物油、植物油、動物油脂には常温において安定です。

ジュラコンの特長として、耐有機薬品性が良好です。しかし、この性質は逆に適当な溶剤型の接着剤が見当らない欠点となります。

	その特性をまとめると、次のようになります。
	◎	無機薬品に対しては、良好な抵抗性を示しますが、硝酸、塩酸、硫酸などの強酸類には侵されます。
	◎	合成洗剤などの家庭用薬品に対しては、ほとんど実害はありません。
	◎	高温の潤滑油中で長時間使用しても、殆んど劣化しませんが、高級潤滑油中の添加物によって、若干影響される場合もあります。
	◎	グリースの場合も潤滑油と同じで、グリース中の添加物によって影響を受ける場合があります。

個々の薬品に対する耐性を知るには、それぞれのプラスチックメーカーが出している技術資料を調べなければなりません。